吉祥寺.pmは一応(?)Perlのイベントなので、たまにはPerlのことを書いてみます。
Test2モジュール
Perlのテスティングフレームワークと言えばTest::Moreがスタンダードですが、今リリースされているTest::More v1.3以降では内部構造が全て作り直されていて、Test2というモジュールがベースになっています。
Test2モジュールでは、テストの結果やメッセージが全て「イベント」という形で取り出せるようになっていて、テストモジュールの作者は従来より確実にテストができるようになっています。
詳細は割愛しますが、従来のTest::Moreではテストモジュールのテストが難しい、という課題を解決するためにTest2モジュールは作られました。
Test2::Suiteモジュール
さて、Test::Moreの中身はTest2モジュールを使って書き直されていますが、後方互換性を維持するため単にTest::Moreを使うだけであれば、テストの書き方は従来とまったく変わりませんが、おなじくTest2モジュールをベースにしたTest2::Suiteというモジュールを使うと、今までよりテストを書く上で便利な機能が使えるようになります。
例えばTest2::Bundle::Moreを使えば、より詳細なメッセージを出力するis_deeplyが使えますし、Test2::Plugin::UTF8というプラグインを使えば、Unicode文字列が正しく表示されるようになります。
use Test2::Bundle::More; use Test2::Plugin::UTF8; use utf8; my $hash1 = { name => "ガンダルフ" }; is_deeply($hash1, { name => "サルマン"}, "イスタルの名前"); done_testing;
実行すると(当然ハッシュの中身は一致しないので)テストが失敗し、その詳細なメッセージが表示されます。
$ perl test.t not ok 1 - イスタルの名前 # Failed test 'イスタルの名前' # at test.t line 8. # +--------+------------+----+----------+ # | PATH | GOT | OP | CHECK | # +--------+------------+----+----------+ # | {name} | ガンダルフ | eq | サルマン | # +--------+------------+----+----------+ 1..1
Test::Moreのis_deeplyより読みやすい形式で出力されました。また日本語を出力しても、おなじみのWide Character...のメッセージも出力されていません。
なお、Unicode文字列を表示する際には、Unicode::GCStringモジュールがインストールされていないと、正しい文字幅で表示できない旨の警告メッセージが表示されるので、併せてインストールしておいた方が良いようです。
おわりに
このようにTest2::Suiteを使うことでTest::Moreより分かりやすいテストが書けるようになります。ぜひ使ってみてください。

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